ドラム缶の再利用について
ドラム缶の再利用におけるメリットとデメリット ~資源循環とコスト削減を実現するための課題と可能性~
ドラム缶は、液体や粉体、化学薬品、油脂類などを保管・輸送するための容器として、製造業や化学業界、食品業界、物流業界など幅広い分野で使用されています。特に鋼製ドラム缶は強度や耐久性に優れており、適切なメンテナンスを行うことで長期間使用できることから、再利用が進められている物流資材の一つです。
近年では、資源循環の推進や環境負荷の低減を目的として、使用済みドラム缶を洗浄・整備し、再利用する取り組みが広がっています。しかし、ドラム缶の再利用には多くのメリットがある一方で、安全性や品質管理に関する課題も存在します。
本記事では、ドラム缶の再利用について紹介します。
ドラム缶再利用のデメリット
- 内容物残留による汚染リスクがある
ドラム缶再利用において最も重要な課題の一つが、前回使用した内容物の残留です。
ドラム缶には、
化学薬品 潤滑油 塗料 溶剤 食品原料
など、さまざまな物質が保管されます。
洗浄が不十分な場合には、
異物混入 品質不良 化学反応 異臭の発生
などの問題が発生する可能性があります。
特に食品や医薬品用途では、わずかな残留物でも重大な品質問題につながるため、厳格な管理が求められます。
- 洗浄・再生コストが発生する
ドラム缶を安全に再利用するためには、専門的な洗浄や検査が必要です。
主な工程には、
内部洗浄 外部洗浄 錆除去 漏れ検査 外観検査
などがあります。
これらの作業には設備や人員が必要となるため、一定のコストが発生します。
使用頻度や再利用回数によっては、新品とのコスト差が小さくなる場合もあります。
- 腐食や損傷による強度低下がある
鋼製ドラム缶は耐久性に優れていますが、長期間使用することで徐々に劣化します。
主な劣化要因は、
内部腐食 外部腐食 凹み 衝撃による変形
などです。
外観上は問題がなく見えても、内部で腐食が進行している場合があり、再利用時には十分な確認が必要です。
- 漏洩事故のリスクがある
ドラム缶は液体を保管することが多いため、劣化した状態で使用すると漏洩事故の原因になります。
例えば、
缶体の腐食 パッキンの劣化 開口部の損傷
などによって内容物が漏れ出す可能性があります。
危険物や化学物質を保管している場合には、環境汚染や重大事故につながる恐れもあります。
- 用途変更が難しい場合がある
以前使用していた内容物によっては、別用途への転用が困難な場合があります。
例えば、
化学薬品用から食品用への転用 危険物用から一般原料用への転用
などは、洗浄後も安全性を完全に保証することが難しいケースがあります。
そのため、用途別に管理する必要があります。
ドラム缶再利用のメリット
- 購入コストを削減できる
ドラム缶は耐久性が高く、適切に整備すれば複数回使用することが可能です。
そのため、
新規購入費の削減 容器調達コストの低減
につながります。
大量に使用する企業ほどコストメリットは大きくなります。
- 廃棄物削減に貢献できる
使用済みドラム缶をそのまま廃棄すると、多くの金属資源が廃棄されることになります。
再利用によって、
廃棄量削減 処理費用削減 資源の有効活用
が可能になります。
- 環境負荷を低減できる
新品のドラム缶を製造するためには、
鉄鉱石の採掘 製鉄 成形加工 輸送
など多くの工程が必要です。
再利用によって新品製造の回数を減らせるため、
資源消費量削減 エネルギー使用量削減 CO₂排出量削減
につながります。
- SDGs・ESG経営を推進できる
ドラム缶の再利用は、
資源循環 廃棄物削減 脱炭素化
に貢献する取り組みです。
企業にとっては、SDGsやESG経営を推進する具体策として活用でき、環境配慮型企業としての評価向上にもつながります。
- 安定した容器供給を確保できる
近年は原材料価格の高騰やサプライチェーンの混乱により、物流資材の調達が不安定になることがあります。
再利用体制を構築しておくことで、
調達リスクの低減 容器不足への対応 安定供給の確保
が可能になります。
- リコンディショニングによる長寿命化が可能
ドラム缶は再生・整備(リコンディショニング)に適した容器です。
洗浄や補修、部品交換を行うことで性能を維持しながら長期間使用できるため、ライフサイクル全体で見た費用対効果が高くなります。
まとめ
ドラム缶の再利用には、内容物残留による汚染リスクや洗浄コスト、腐食による強度低下、漏洩事故のリスクといったデメリットがあります。そのため、安全性と品質を確保するための洗浄・点検体制が不可欠です。
一方で、購入費用や廃棄費用の削減、資源の有効活用、環境負荷の低減など、多くのメリットを得ることができます。また、SDGsやESG経営の推進、物流資材の安定確保といった経営面での効果も期待できます。
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